ローソク足の読み方②
前回は1本のローソク足の読み方について書きました。
今日は2本以上のローソク足の読み方についてまとめます。
2本以上ということは、もうチャートの読み方と言ってしまってもいいですね。
インディケータを何も表示していない状態のローソク足チャートを見て、どのように考えていけばいいかが分かるようになると思います。
それでは、いきましょう!
- 後付けの解説では意味がない!トレードで使える考え方が重要!!
- 基本は1本のローソク足
- パターン1:高値更新、安値切り上げ
- 陽線・陰線は関係なく、高値・安値だけに注目!!
- パターン2:高値更新、安値更新
- パターン3:安値更新、高値切り下げ
- パターン4:高値も安値も更新せず
- ローソク足が確定するたびに、高値・安値とレンジの確認を行う!!
後付けの解説では意味がない!トレードで使える考え方が重要!!
それでは、例として次のようなチャートを考えていきたいと思います。
ローソク足が7本だけの単純なチャートですが、しっかり捉え方が分かっていないと、正確に値動きを追うことはできません。
また、上の図はローソク足がすでに7本表示されている状態ですが、実際のトレードでは、今まさに動いているチャートを見て分析していかなければならないので、できるだけ実際のトレードに近づく形で、時系列で説明していきたいと思います。
基本は1本のローソク足
最初はローソク足①だけが出ている状態から考えます。
次の足はどんな形になるか、まだ分かりません。
実際のトレードでは、次の足が出るまでは①のローソク足も確定しておらず、始値以外は変動する可能性がありますが、①足が確定して今まさに②足が出る瞬間だと考えてください。
ローソク足1本の時は、高値と安値が重要でした。
価格が上昇していって、買い手が減り、売り手が増えて、買い手と売り手の勢力が同じになったところ(それ以上価格が上昇しなくなったところ)が高値です。
同じように、価格が下落していって、売り手が減り、買い手が増えて、売り手と買い手の勢力が同じになったところが安値です。
この高値と安値の間では、買い手と売り手の力比べが行われており、買い手が勝って価格が上昇していくのか、売り手が勝って価格が下落していくのか、まだ分かりません。
そこで、戦略としては、高値更新で買い、安値更新で売りのどちらも考えておく必要がありました。
ここまでは、前回の復習になります。
パターン1:高値更新、安値切り上げ
ローソク足②が確定した瞬間のチャートです。
②足では、①足の高値を更新し、安値は切り上げてきました。
①足が確定した段階では、①足の安値と高値で買い手と売り手が力比べをしていましたが、買い手が勝ってさらに価格が上昇。
②足の高値まで上値を伸ばしました。
よって、②足が確定した段階で、チャートの高値は②足の高値になります。
一方、安値は②足の安値ではなく、①足の安値と考えた方が無難です。
①足から②足までは、陽線が続いており、人間がかってに時間の枠でローソク足を2本に分けましたが、価格は①足から②足まで一体となって上昇していると考えることができるからです。(15分足2本をまとめると30分足1本にまとまるような感じです)
よって、②足が確定した段階で、このチャートの安値は①足の安値、チャートの高値は②足の高値となり、この範囲内で買い手と売り手の力比べが行われることになります。
この範囲を一般に「レンジ」と呼んでいます。
陽線・陰線は関係なく、高値・安値だけに注目!!
②足のあと、③足が確定した瞬間のチャートです。
①足、②足と上昇してきましたが、③足は陰線になりました。
「陰線だから下落?」
と思ってしまうかもしれませんが、実は陽線・陰線には特に大きな意味はありません。
大事なのは、あくまで高値・安値です。
③足は陰線となりましたが、高値は②足高値を更新し、安値は②足安値を切り上げています。
したがって、まだ売り手より買い手の力が勝っている状態です。
①足からのレンジ上限が③足の高値、レンジ下限は①足安値のままです。
パターン2:高値更新、安値更新
続いて④足まで確定した場面です。
④足は再び陽線となり、③足高値を更新しました。
レンジ上限も③足高値になります。
一方、④足は安値も③足安値を更新しています。
これは、③足の高値と安値での買い手と売り手の力比べが④足高値と安値の範囲に広がったことを示しています。
③足では売り手の力も強かったことが考えられ、④足が③足安値を更新した時点で、一旦上昇の流れはリセットされます。
レンジは④足の高値と安値の間になり、このどちらを更新するかで、次の相場の流れが決まります。
パターン3:安値更新、高値切り下げ
続いて⑤足が確定しました。
⑤足が出る前は、④足の高値と安値でレンジとなっていましたが、④足の安値を下抜けて価格は下落しました。
売り手が買い手に勝ったことになります。
⑤足高値は④足高値を上回らずに切り下げ。
安値更新、高値切り下げとなって、下降トレンドに入ったことが分かります。
この段階でのレンジ上限は④足の高値、下限は⑤足の安値になります。
パターン4:高値も安値も更新せず
続いて⑥足が確定しました。
⑥足は短い陽線となりましたが、高値と安値に注目すると、⑤足の高値も安値も更新することができていません。
これは、⑤足のローソク足の中で買い手と売り手の力比べが続いている状態で、値動きの上では⑥足は意味をもたないローソク足になります。
引き続き、④足高値と⑤足安値でのレンジが続きます。
ローソク足が確定するたびに、高値・安値とレンジの確認を行う!!
いよいよ最後です。
⑦足が確定しました。
⑦足はこれまでのレンジ下限だった⑤足安値を下抜き、安値を更新しました。
一方、高値は⑥足高値から切り下げています。
安値更新、高値切り下げで下降トレンドが継続しています。
レンジの下限は⑦足安値に移り、レンジ上限は④足高値のままです。
①足から⑦足まで(たった7本ですが)ローソク足の値動きを追ってきました。
実際の相場でも、ローソク足が確定するたびに、安値と高値の確認作業を行い、現在のレンジがどの範囲なのかを確実につかむことが大切です。
地道な作業ですが、これなくしてテクニカル分析はできません。
そして、この作業を行うことが、100年以上前から使われている「ダウ理論」で相場を考えることにつながります。
次回からは、いよいよ「ダウ理論」について書いていこうと思います。
お楽しみにー(@^^)/~~~