【ダウ理論①】高値、安値からレンジを決め、トレンドを追いかけよう。
トレードの際に僕が最も重視している「ダウ理論」についてまとめていきます。
ダウ理論は100年以上前に考案された考え方ですが、現在も多くの勝ちトレーダーの方が意識されている理論です。
FX初心者の方は、いろいろなインディケータについて勉強するよりも前に、まずはダウ理論から学ぶべきだと思います。
ダウ理論について何回かに分けてまとめていこうと思いますが、このブログはダウ理論の教科書ではないので、トレードに役に立つ部分だけを書いていこうと思います。
もし、もっと勉強したいと思われる方は、インターネットや書籍などを探してみてください。
高値、安値は決められますか?
ダウ理論では、ローソク足の高値、安値をもとにレンジを考えていきます。
そこで、ローソク足が正しく読めることが必要なので、もし、ローソク足の読み方に不安がある方は、こちらの記事を読んでから先へ進んでください。
ダウ理論の基本原則
ダウ理論には6つの基本原則があります。
1 価格はすべての事象を織り込む
2 トレンドは短期・中期・長期の3つに分類される
3 トレンドは3つの段階から形成される
4 価格は相互に確認される必要がある
5 トレンドは出来高でも確認されなければならない
6 トレンドは明確な転換シグナルが現れるまで継続する
このうち、僕がトレードにおいて重視しているものは1と6です。
価格はすべての事象を織り込む
FXでは様々な経済指標や要人発言、中央銀行の金融政策、予測不可能な自然災害などで価格が大きく変動しますが、それらはすべてチャートの値動きに織り込まれるということです。ちょっと乱暴な言い方をすれば、ダウ理論を用いてチャートを分析する時に、ファンダメンタルズ分析は考えなくてもよいということで、これはファンダメンタルズ分析が苦手な僕にはとても都合のよい考え方です(もちろん、世界のいろいろな出来事について、情報収集はしていますよ(^^ゞ)。
実際、突発的なニュースで価格が大きく変動した時に、ダウ理論による相場分析でのトレンド方向に大きく動いた、ということはよくあることです。
最近の例を1つ見てみましょう。
上のチャートは昨年後半から今年にかけてのドル円日足です。
2019年最初の話題は、1/3に突如として発生したドル円の急落(フラッシュクラッシュ)でした。
正月早々、とんでもない値動きで、多くの個人投資家が資金を溶かしてしまったようです。
しかし、ダウ理論を知っていれば、このフラッシュクラッシュに巻き込まれないばかりか、大きな収益チャンスとなっていたのです!!
チャートにも示したように、年末の下落でドル円日足はそれまでのレンジ下限をブレイクしており、ダウ理論に従えばショートエントリーするポイントなのです。
しかも、レンジブレイクは2回起きています。
1回目は逃してしまった人も、2回目ではエントリーできるのではないでしょうか?
そして、1/3のフラッシュクラッシュはこのレンジ下方ブレイクの後に起きているのです。
ダウ理論を知っている人から見ると、ショートしているか、少なくともこの場面でロングしていることは考えられないことなのです。
何とも不思議なことですが、ダウ理論を使っていると、こういう場面に何度も出くわします。
トレードにダウ理論を取り入れてからまだ数か月の僕ですら、こういう経験を何回もしています。
まさに「価格はすべての事象を織り込む」の通りです。
トレンドは明確な転換シグナルが現れるまで継続する
これがトレードするにあたって最も大事な原則だと思います。
どこでエントリーして、どこでイグジットするのか。
その基準が明確になります。
少し長くなりますが、1つずつまとめていきますね。
トレンドの定義
トレンドには上昇トレンド、下降トレンドがありますが、それぞれの定義は次の通りです。
上昇トレンド・・・高値を更新し、安値を更新しない。
下降トレンド・・・安値を更新し、高値を更新しない。
非常に単純ですが、メチャクチャ大事な定義です。
この条件が崩れない限り、トレンドは続いていくので、ローソク足が出るたびに高値と安値を確認しながら、値動きを追っていくことが大切です。
それでは、実際のチャートで詳しく見ていきましょう。
値動きを追うということ
ここからは、実際のチャートで値動きを追っていきます。
2018年11月から2019年1月までのドルスイスの日足チャートで考えていきます(価格は入れていません)。
スタートが上のチャートです。
まずは、チャートを見て、高値と安値を決めましょう。
そして、その高値、安値をもとに、レンジを決定します。
チャートは過去にさかのぼるとずーっと続いているので、どこから高値、安値を考えるかという問題がありますが、チャートをパッと見て、一番目立つ高値や安値をスタート地点として考えると分かりやすいと思います。
ここでは、山の頂点になっているBを高値としてスタートします。
Bが高値ということは、そこまで価格は上昇してきたことになるので、どこから上昇してきたのか、起点となる安値を探します。
すると、Aが起点となっているのでここが安値となり、Bの高値が確定した時点で、安値A-高値Bのレンジが決まります。
この後は、安値Aを下抜いて安値を更新するか、高値Bを上抜いて高値を更新するまで、このレンジ内での値動きが続くことになります。
しばらくすると、Dでレンジ下限を下抜いたので安値更新となり、新たなレンジを考え始めます。
下げていった価格はEで下げ止まり、次のローソク足はEのローソク足の高値を超えました。
安値がEで確定したことになります。
安値Eまでの下落の起点を探すと、Cからの下落であることが分かります(ここで、高値をCとせずにBとする考え方もあると思いますが、ここではCとして進めます)。これで、高値C-安値Eからなる新たなレンジが決まりました。
A-Bのレンジを下方ブレイクして、C-Eのレンジができたということです。
この後は、C-Eのレンジ内での値動きが続くので、次のブレイクまで待ち構えます。
しばらくすると、Gでレンジ下限をブレイクしました。
安値更新です。
これで、新たなレンジを探る動きになります。
レンジをブレイクした下落はHで下げ止まり、次のローソク足はHのローソク足の高値を上抜けました。
これで、安値がHで確定です。
安値Hまでの下落の起点は高値Fになるので、高値F-安値Hで新たなレンジが決まりました。
C-Eのレンジを下方ブレイクしてF-Hのレンジができたことになります。
これで、レンジの下方ブレイクは2回連続ですね。
レンジを下方ブレイクしたということは、下降トレンドの定義である「安値を更新し、高値を更新しない」を満たすことになるので、下降トレンドは、「レンジの下方ブレイクが連続している状態」と言い換えることができます。
値動きを追うということは、この作業を延々と続けることですね。ジミチナサギョウ^^ゞ
さて、チャートの続きですが、この後は次のようになりました。
同じことの繰り返しなので省略しますが、レンジを下方ブレイクするたびに、新たな安値を探り、下げ止まって安値が確定したら、下落の起点である高値を探します。
新高値、新安値が決まるとレンジが確定します。
これを繰り返し、緑色線のレンジまでレンジの下方ブレイクが連続しました。
ただ、トレンドはいつか終わりが来ます。
これまでは下方ブレイクが続いてきましたが、ついにレンジの上限を突破しました。
上方ブレイクです。
「高値を更新」したことになるので、下降トレンドの定義から外れました。
ダウ理路では、これを「転換」といい、トレンド終了のシグナルになります(転換したK点を転換点といいます)。
下降トレンドに従ってショートポジションを持っていた場合、転換した時点でポジションを決済することになりますね!
下降トレンドは終了しましたが、値動きは続いていくので、これまでの作業を継続します。
すると、レンジ上限のIを上抜いた上昇はMで上げ止まり、高値が確定しました。
高値Mへの上昇の起点となった安値はLになります。
安値L-高値Mの新たなレンジが確定し、Kでトレンドが転換しているので、ここからは上昇トレンドを追いかけていくことになります。
実際、この後はスタート時点に設定した高値B付近まで価格は上昇しました。
ダウ理論はチャート分析の基本中の基本
さて、ここまで読んでいただいた方は気づいていると思いますが、ここまでのチャート分析は、ローソク足以外のインディケータを一切使っていません。
テクニカル分析を勉強し始めると、移動平均線や一目均衡表、ボリンジャーバンドやMACD、ストキャスティクスなど、様々なインディケータを目にします。
テクニカル分析の本を買ってくると、それぞれのインディケータの求め方や使い方が紹介されており、ここからFXの勉強をスタートする人も多いと思います。
実際、僕もそうでした。
もちろん、実際にトレードする際は、チャートにいくつかのインディケータを表示させるのですが、それよりも大事なことが「ダウ理論」です。
ローソク足が確定するたびに、高値と安値を確かめ、レンジが続いているのか、レンジがブレイクしたのか、ブレイクすれば次のレンジはどこになるのか・・・。
この作業を続けることが最も重要です。
僕はFXを始めて8年目で、ようやくそのことが分かりました。
トレードで思うような結果が出せていない人は、まずは「ダウ理論」からスタートすることをおススメします!
さて、ダウ理論の第一回目はここまでにします。
次回は、実際のトレードでどのようにエントリーし、イグジットしていくのかをまとめたいと思います。