FX ダウ理論とディナポリでちゃんとチャート分析!

相場は値動きがすべて! テクニカル分析で相場と仲良くなろう(*^^)v

ダウ理論とディナポリでちゃんとチャート分析!

【ダウ理論②】エントリーとイグジットの考え方

ダウ理論の2回目です。

前回はダウ理論の基本原則や、高値、安値からレンジ幅を決めて値動きを追っていくことについて書きました。

 今回は、実際のトレードで、ダウ理論を使ってどのようにトレードしていくのか、まとめていきたいと思います。

 

 

エントリーの考え方

レンジの意味

ダウ理論を考える上で肝となるレンジについてまとめます。

レンジの決め方は前回の記事を見てくださいね。

f:id:uepyon316:20190306104408p:plain

相場は、多くの場面でレンジ相場となっています。

では、いったいレンジとはどのような状態なのでしょうか?

そもそも、なぜレンジができるかというと、そこには買い手と売り手の思惑が関係しているんですね。

買い手の立場になって考えると、だれでも安いところで買えると嬉しいですよね。

相場も同じで、レートが下がると買いたい人が増え、下落していた相場はどこかで買いの力に支えられて止まります(レンジ下限)。

逆に、売り手はできるだけ高いところで売りたいと思います。

レートが上がるにつれて売りたい人が増え、上昇相場はどこかで売りの力に押されて止まります(レンジ上限)。

そして、レンジ上限と下限の間で買い手と売り手の力比べが続きます。

これがレンジ相場です。

レンジの上限と下限にラインを引いたら、上の図のようなイメージを持つとチャートが分かりやすくなると思います。

 

レンジブレイクの意味

そんなレンジ相場もいつかは終わりがやってきます。

今回は具体的な例を示しながら、レンジが下方向にブレイクした場合を考えます。

上方向にブレイクした場合も、考え方は一緒ですよ。

f:id:uepyon316:20190306104405p:plain

2018年後半のドル円日足

上のチャートは2018年9月頃からのドル円の日足です。

価格は入れていませんが、レンジ相場になっているのが分かりますね。

3か月以上もの期間、レンジが続いていました。

それが、ついに下方ブレイクしたのが右端の場面です。

本来なら買い手が多くなるはずのレンジ下限(安い価格)で、売り手が買い手を上回ったのです。

これには、経済指標や要人の発言、金融政策の変更など、何かしらのきっかけがあるのかもしれませんが、チャート分析では理由ではなくレンジをブレイクしたという事実が重要です。

何があったかは分かりませんが(もちろん、その時には専門家が何かしらの解説を出しますが)、結果として、それまで買い手に支えられていたレンジ下限を下抜け、売り手の力が勝った瞬間がレンジブレイクです。

つまり、買い手が多かったはずのレンジ下限ですら売り手の力が強かったことになり、ここからは売り手優勢の相場となるので、トレードするならこの場面でショートエントリーして相場についていきたいところです。

 

レンジブレイクのその後

f:id:uepyon316:20190306112045p:plain

2018年後半から2019年初めまでのドル円日足

レンジブレイクしたドル円のその後のチャートが上の図です。
9/7のレンジ下限をブレイクしたドル円は、すぐに12/25で下落が止まりますが、12/26の高値から再び下落して、1/3のフラッシュクラッシュを迎えることになります。

最初のレンジブレイクでショートエントリーしていた場合、フラッシュクラッシュの安値までは5円50銭以上の下落となっていました。

ただ、1/3の安値は業者によって様々ですし、ショック相場では注文が通らなかったりして実際に104円台で利食いをするのは無理ですよね(^^ゞ

しかし、107円台であれば、翌日の1/4にもつける場面があり、十分な利幅を取ることができる相場でした。

 

レンジ内ではトレードしないの?

FXの書籍を読むと、よく「トレンド相場では順張り、レンジ相場では逆張り」などと書かれていますね。

確かに、レンジ相場となったチャートを後から見ると、逆張りでエントリーすれば効率がいいように思えます。

しかし、実際のトレード(チャートの右側が見えていない状態)でのエントリーは、リスクに見合ったリターンが小さく、僕はレンジ内での逆張りトレードは行いません。

そもそも逆張りでは、レンジの上限や下限での反発を期待してエントリーするため、期待できる利益幅は、最大でもレンジ幅ということになります。

反対側のレンジ上限、下限では、また逆張りをしかけることになるからです。

反対に、損失幅は無限大になります。

レンジブレイクすると、どこまで値が伸びるか分かりません。

もちろん、エントリー時にはレンジの外側にStop注文を出しておくと思いますが、何度もStopにかかると、損大利小の効率の悪いトレードになってしまいます。

 

時間軸を下げて考える方法もある

では、レンジ相場ではまったくトレードできないのかというと、そうでもありません。

大きな時間軸ではレンジになっていても、時間軸を下げてみるとトレンド相場(レンジブレイクが起こっている)になっていることがあるからです。

日足でレンジ相場でも、4時間足や1時間足に下げてチャート見ることで、レンジブレイクでの順張りでエントリーすることは可能になります。

※ただし、普段は日足ベースでトレードしている人が、エントリーありきで5分足や1分足まで下げてエントリーポイントは探すのは、ポジポジ病にかかっている可能性がありますね(^^ゞ 無理に時間軸を下げるより、他の通貨ペアを探す方がいいかもしれません。

 

イグジットの考え方(利益確定、損切り)

ここからはイグジットについて書いていきます。

イグジットには利益確定と損切りの2つの場合がありますが、ダウ理論では出口の考え方は1つです。

決済した時に利益がのっていれば利確になり、損失が出れば損切りということになります。

さて、イグジットは前回の記事で述べたダウ理論の基本原則「トレンドは明確な転換シグナルが現れるまで継続する」に基づいて考えます。

明確な転換シグナルとは、つまりトレンドと逆方向へのレンジブレイクのことであり、これが発生すればトレンド転換となるので決済します。

f:id:uepyon316:20190306121916p:plain

上の図で、レンジ1の下方ブレイクでショートエントリーした場合で考えます。

まず、レンジ1内にあるときにレンジ上限の少し上とレンジ下限の少し下に逆指値でエントリー注文を出しておきます。

レンジ上限の上には逆指値の買い注文、レンジ下限の下には逆指値の売り注文です。

そして、買い注文のStop(損切り注文)はレンジ下限の少し下、売り注文のStopはレンジ上限の少し上に置きます。

レンジ内にあるときはレンジをどちらにブレイクするか分からないため、両方の注文を出しておくのです。

さて、今回はレンジ1を下方ブレイクしました。

これで売り注文が通っているので、レンジ1上限の上に出してあった買い注文はキャンセルします。

そして、新たなレンジ2の上限の少し上にStopをずらしておきます。

こうすることで、Stopがついた場合の損失額を抑えることができます。

レンジ2を下方ブレイクした場合、レンジ3を下方ブレイクした場合も同様にStopをずらしていきます。

また、レンジ下限が確定すると、しばらくはレンジ内で上昇する場面があり、ここで含み益が減ってきますが、焦って決済してはいけません。

「トレンドは明確な転換シグナルが現れるまで継続する」からです。

さて、レンジ2、レンジ3の下限ブレイクでは、当然ながらショートを継続しますが、新たなレンジをブレイクしたことになるので、ここで追加エントリーすることもできます。

ポジションを積み増せば、それだけ大きな利益を狙うことができますが、Stopがついた場合の損失も大きくなるため、自分の資金に対して許容できる損失かどうかを考えた上で積み増すかどうかを考える必要があります。

無理に追加しなくても全然いいですよー。

レンジブレイクがトレンド方向に続く限り、この作業を繰り返していくだけですが、いずれはトレンドが転換する時がやってきます。

上の図では、レンジ4は下方ブレイクせずに上方ブレイクとなりました。

「明確な転換シグナル」です!!

ここで、ずらしてきたStop注文がヒットして、ポジションが決済されます。

レンジ1の下方ブレイクでショートしたポジションは利益になりますね。

 

 

以上が、ダウ理論に基づいたエントリーとイグジットの考え方です。

僕のブログでも、基本的にはこの考え方でトレードしていますので、よろしければ参考にしてください。